歴史に残る名車：トヨタ2000GT

日本の自動車史に残る名車と言えば、人によって思い浮かべる車は違えども、トヨタ2000GTがその候補であることに、異論を挟む人は少ないでしょう。

スポーツカーはイメージリーダー

1960年代当時、トヨタ自動車にとって日産自動車や本田技研はいわゆるライバルでした。それから数十年、ホンダに関しては変なニュースは聞きませんが、日産の方はいうと、まったく新型車の発表がなかったりカルロス・ゴーン元CEOの件だったりと今後が心配になるほど。今ではもうトヨタの後塵を拝し、追いつくことなど期待できない有様です。

そんな日産やホンダも当時はスポーツカーを販売し、人気を博していました。日産はフェアレディ、ホンダはS360、S600、S800などのSシリーズです。

かつてはスポーツカーは若者の憧れであり、ステータスシンボルのような時代があったのです。ミニバンばかりが道路に溢れる現在からは、考えられないかも知れませんが。私もスポーツカーが好きで、MTのS15シルビアに乗っていたことありますが、近年はスポーツカーが少なくて寂しいばかり・・・。

当時からトヨタは日本を代表する自動車メーカー、そんなトヨタにイメージリーダーになるスポーツカーがなくてどうする！そんな風に考えたどうかは分かりませんが、その後ヤマハ発動機と共同開発を経て、1967年に発売されるに至ります。

発売時の新車価格が238万円、当時の大卒初任給が約26,000円程度であったので、現在の価格にすると15,000,000円～20,000,000円もする超高級車っだということになる訳です。当時、一般の人には高嶺の花だったと言いますが、こんな高級車は今だって高嶺の花に変わりありません。

たとえ手が届かない高級車であっても、メーカーのイメージになる車というのはいつの時代も必要な訳で、今だとNISSAN GT-R、LEXUS LF-A、ホンダ NSXなどが その役割を担っていると言えるでしょう。

未だに公道では見たことない2000GT

運転免許を取得して二十数年経ち、走行距離は1,000,000kmに届こうかというところですが、この2000GTが公道を走っている姿を見たことは一度としてありません。

東京近郊では、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、ロールスロイス、ベントレー、マイバッハなど、販売台数が少ないと思われる高級車をよく見ますが、希少性という意味では2000GTの圧勝。それほど公道では見ることができないのです。

そもそも生産台数がわずかに337台、50年以上経過したクラシックカーなので、現存する個体数もかなり少ないと考えられます。そのうえ博物館に収蔵されている個体も多いので、公道で見かけるなど奇跡と言っても過言ではありません。

一度くらいは公道を走る姿を、見てみたいものです。

2014年に起きた不幸な事故

ご記憶の方も多いかと思いますが、2014年6月富山県の国道を走行中、トヨタ2000GTを倒れてきたブナの大木が直撃し大破するという事故がありました。

1,000,000kmも走って一度たりとも見たことないトヨタ2000GT。それを行動で目撃する、走行中の車を大木が直撃、どちらかだけでもえらい確率なのに、その両方が重なるとは天文学的な確率ではないでしょうか。オーナーの方が受けたショックは計り知れませんが、名車が一台不幸な事故で全損となってしまったことは心が痛みます。

その車両がどうなったのか直接は知りませんがネット上の情報によると、修理費が莫大なため事故当時の状態のまま、ガレージに保管されているとのこと。

トヨタ2000GTが収蔵されている博物館

自動車博物館は日本中に沢山ありますが、トヨタ2000GTが収蔵されている博物館をピックアップしました。私が知っているのは以下の3カ所ですが、ぜひ一度は行ってみて下さい。

トヨタ2000GTの諸元表

• 排気量：1,988cc
• 最高出力：150ps／6,600rpm
• 最大トルク：18.0kgf／5,800rpm
• 全長：4,175mm
• 全幅：1,600mm
• 全高：1,160mm
• ホイールベース：2,330mm
• 駆動方式：後輪駆動
• 燃費：-
• 燃料：ガソリン