ガソリン税に消費税 本当に二重課税なのか

ガソリンの値段

ガソリン価格に含まれる税金

ガソリンの価格に含まれる税金、いわゆるガソリン税。価格の半分が税金だと聞いたことがあるかもしれませんが、正しくはガソリン税という税金があるわけではなくて、ガソリンに課される揮発油税と地方揮発油税の総称なのです。

揮発油税とは

揮発油税とは、揮発油税法に基づき製造所から出荷される際に課される税金です。この税金の対象となる揮発油とは、「温度15℃において0.8017をこえない比重を有する炭化水素油」のことで、灯油もこの定義には該当しますが、揮発油税は免除されています。
税額は、48.6円/Lです。

地方揮発油税

地方揮発油税は、揮発油に課し地方自治体に財源を譲与することを目的とした税金。
税額は、5.2円/Lです。

ガソリン税の内訳

ガソリン税(53.8円)= 揮発油税(48.6円)+地方揮発油税(5.2円)
これが世間で言われるガソリン税の内訳です。1リットルあたり53.8円が税金相当となるので、消費税と合わせると半分近くが税金と言われるのも納得です。

ガソリンは二重課税されている?

よくガソリンは二重課税されているといわれます。ガソリンスタンドで表示されている価格は上記の各種税金を含んだ価格で、最終的にはさらに消費税も課されます。このことがガソリン税に消費税を課す、二重課税ではないかといわれる所以です。このことは今まで何度も議論されてきましたが、現在までなにも変わっていません。

国税庁の見解

国税庁は二重課税にあたらないとの見解を示し、これに対しての回答になることが国税庁のサイトに記載されているので、以下に抜粋します。

消費税の課税標準である課税資産の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税などが含まれます。これは、酒税やたばこ税などの個別消費税は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれるとされているものです。

これに対して、入湯税、ゴルフ場利用税、軽油引取税などは、利用者などが納税義務者となっているものですから、その税額に相当する金額を請求書や領収証等で相手方に明らかにし、預かり金または立替金等の科目で経理するなど明確に区分している場合には、課税資産の譲渡等の対価の額には含まれないことになります。

国税庁HP タックスアンサー№6313 たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い

なんだか分かりにくい文章ですが、お役所の文章なのでご愛敬。要約すると、ガソリン税は製造原価の一部であり、その原価を含む販売価格に消費税を課しても二重課税とはならない。これが国税庁の見解なのです。

例えるなら、輸入品が国内で販売される際の価格は、輸入業者が負担した関税分も原価として含まれています。そして消費者がそれを購入するときには、それも含めた商品価格に消費税が課されます。ガソリンが二重課税とするなら、これも二重課税となってしまいます。それどころか、いろいろなメーカーに課税される税金のすべてが二重課税になりかねません。そのため、国税庁は二重課税と認めることはないでしょう。

私もかつては二重課税に憤ったこともありましたが、上記の見解を読むと一理あるなと思わざるをえません。

税金が多すぎる

前述のように、二重課税が疑われるものは他にもあります。しかし、なぜガソリン税だけが騒がれるのでしょうか?それはひとえに税金が高すぎるからでしょう。上にも書きましたが、ガソリン価格の半分近くが税金でクルマはほかにも多様な税が課されています。まさに税金の塊、走る税金です。

クルマを維持する際の税負担は、相当なもの。税金というものは、社会を維持するうえで必要不可欠ですが、この税負担の重さがドライバーの不満につながり、ガソリンの二重課税問題へと発展していると感じます。

国税庁の見解を読むと、二重課税ではないのかな?と思わなくもありません。なので、二重課税問題よりも先に、少しでもいいので減税してもらいたいところです。