仕事を忘れ孤独のドライブ 独りの時間を楽しむは心の癒やし

沖縄が梅雨入りし九州もそろそろという頃、仕事が一段落したので平日に孤独のドライブを楽しもうと自宅を出発。直前まで忙しくしていたので計画を立てるヒマもなく、そのためまったくのノープラン。本来ならあまり行くことのない土地を走りたいところですが、今回はあえて知ったエリアの南会津へ向かうことにします。

何度も行ったお気に入りのエリア、またかと思わずお付き合いください。

東北自動車道 白河ICから国道289号で甲子トンネルを抜け、南会津へ向かういつものルート。この日はとんでもない快晴で、まさにドライブ日和。私の住む首都圏は気温が上昇するとの予報ですが、途中に立ち寄った「道の駅しもごう」は清々しい陽気。

平日の午前9時半頃。人影はまばらでクルマもあまり走っておらず、周囲に響くのは虫の声。湿度もなく過ごしやすい気温、その辺に寝転がって昼寝でもしたら気持ちよさそう。そんな思いに駆られますが昼寝が目的ではありません、のんびりせずさっさと出発。

道の駅を後にするBMWのその姿は、さながらピットレーンから飛び出すレーシングカーのよう。

国道は一気に高度を下げるのですが、このあたりがまた絶景。どこまでも広がる青い空に雄大な山々、この素晴らしい景色と天気は今日のドライブを暗示しているかのよう。この付近でカメラを構えてみたいのですがクルマを停める場所などなく、いまだに叶わぬ夢となっています。

下郷エリアで個人的に外せないのが、猿楽大地の蕎麦畑。奥会津の山々を背景に、蕎麦の花が咲き乱れる素敵なエリア。もっとも、今はまだ時季外れですが。ここはいつ来ても無人。まず人の気配がすることがなく、静かな雰囲気を楽しむことができる秘密のスポット。

ここからだと周囲に高い山がないので、とにかく空が広い。このときも人の姿はなく、広い空の下で素晴らしい景色を独り占め。清々しい空気に包まれて人のいない自然に囲まれる、なんていうか贅沢なひとときですな。

道の駅からむし織の里しょうわ チャーシュー丼

ドライブの楽しみのひとつは食事。クルマを走らせ行った先で旨いものを食う、それを個人的に「ドラめし」と呼んでいるのですが、孤独のグルメ的に一人で採る食事は意外と楽しいもの。

その楽しいドラめし目指して国道400号を北上。これから向かうのは、道の駅からむし織の里しょうわ。個人的にお気に入りの道の駅で、そこの食事処は期待以上の旨さなのです。食堂の営業時間は午前11時、それに合わせるように到着すると駐車場はガラガラ。当然、食堂だってガラガラです。

何度も訪れているのでメニューは把握しています。到着したときには何を食うかすでに決まっているので、迷うことはありません。このとき食ったのはチャーシュー丼。これまた期待以上の旨さ。当たりのドラめしでした。

今日も旨いドラめしで大満足。事前にメニューは調べても口コミなどは見ないことにしているため、ハズレを引くことも少なくないのですが、やはり当たりを引いたときの嬉しさはひとしお。やめられません。

再び走り出したM340iは、県道32号でさらに北を目指して爆走。この道は特に交通量が少なく快適に走ることができるので、毎度のことながら好んで選ぶルート。途中でいくつかの集落が見えますが基本的に静かな林間を駆け抜けるので、本当に気持ちよくクルマを走らせることができるのです。

BMW M340iの官能的なエンジンサウンドを聴きながら走っていると、国道252号へと接続。ここから西へと向かえばそこは新潟県、そのまま県境を越え・・・と思っていたのですが、とある情報が飛び込んできたのです。この先の県境が通行止めと。

ちょっと待て!この先が通行止めで新潟県へ抜けられないだと?

県境を越える道は少なく、別ルートへは簡単に迂回できる距離ではありません。そもそも新潟へ行かなければならない用事があるわけでもない、新潟エリアで食いたいものがあったのですが、それだって別にいつでもいいし。

それならば喜多方エリアで行ってみたいところがあったので、そこへ行ってみることにしましょう。そうと決まれば電光石火のステアリング捌きで喜多方方面へ進路変更。今来た道を引き返し国道400号へシフト。

国道400号は隘路の峠越えで、対向車が来たらどうしようと思う箇所があちこちにあります。こんなマニアックなルートを選択するのは、地元車くらいのもの。その証左に対向車など数える程度に地元ナンバーが来ただけ。M340iで走るには少々窮屈で、それほど走りを楽しめる道でもありません。

それでも一般車の車列に紛れてチンチラ走るより、独りでポツンと走れるルートを選択したくなるのがサガというもの。

無人の国道を駆け抜け人里へ姿を現した青いBMWは、「道の駅にしあいづ」の駐車場へと滑り込む。平日に仕事を放り投げ独りでドライブに来ている以上、手ぶらで帰ることはできません。平日のため客の少ない店内をうろうろと物色し、適当に・・いや、妻が喜びそうなお土産を購入。大事な任務、無事に完了。

このあとは喜多方エリアへ向かうその途中、遠くに見えた山々に残る雪化粧。冬などとっくに過ぎ去ったものと思っていましたが、山の上では春はまだ遠いようです。

平地は緑が溢れ遠くの山には雪が残る、二つの景色を同時に視界に収めることができるこの風景、昔からともて好きなのです。もう少し季節が進み山の雪が消えると見られなくなる景色、しっかりと目に焼き付けておきましょう。

恋人坂

予期せぬ通行止めで進路の変更を余儀なくされましたが、それもまたアテのない無計画ドライブの醍醐味。そして行ってみたかった場所というのは、会津盆地を望む恋人坂。ここは景色の良い場所として有名なので、休日であれば誰かしら居たことでしょう。

しかしこの日は平日、見事に誰もいません。贅沢にもこの雄大な景色を独り占め、そう恋人坂の名に反して独り。

いくら絶景とは言え、いつまでも眺めていても仕方ない。そもそも地元の車がときどき走るので邪魔になります。よって写真だけ撮ったら素早く撤収。そして自宅へ向かって走り出します。

冒頭にも書きましたが本日はほぼノープランでのドライブでした。普段からあまり計画的ではないのですが、せめて行き先くらいは考えているもの。でも、行き当たりばったりの無計画だって、慣れると楽しいものです。

さて、次はどこへ行こうか。

ドライブDATA
【実走日】2025年6月6日(金)
【走行距離】686.6km
【ドラめし】豚チャーシュー丼(道の駅からむし織りの里しょうわ