先日、日頃からお世話になっているBMWディーラーから、新型(G80)M3に試乗しないかと連絡を頂きました。購入する予定など全くないのですが、せっかく声を掛けていただいたのに断るのも申し訳ないので、ウキウキしながら試乗してきました。
気になる外観は?
新型G80 BMW M3はその外観が正式に発表される前から、いろいろと言われておりました。4シリーズが今までとは一線を画す思い切ったデザインでデビューしたものですから、M3も同じ顔になるのではと。そしてその心配は当ってしまい、素直に受け入れることができないデザインとなってしまいました。
このフロントフェイスのデザインに関しては、ネット上でも様々な意見があり、どうも受け入れられない人の方が多い印象です。実際、BMWのディーラーで話を聞いても、M3を乗り継いで来たユーザーですら、今回は買わないという人がいるとのことです。
今回、試乗するにあたり間近でじっくりと見ることができたわけですが、その感想は「思ったほど悪くない」というものでした。やはり画像という二次元では、三次元の立体物を正確に把握することは難しいようで、実車の方が良く見えたことは間違いありません。
M4に関しては4シリーズなので良いかと思いますが、M3はサイドビューやリアビューは間違いなく3シリーズそのものです。いくら実車の方が良いとは言え、やはり違和感を拭うことはできませんでした。
内装は3シリーズそのまま
内装は細部の違いこあそれ、乗りなれた3シリーズそのものです。エンジンスタートボタンが通常のグレードと違い赤くなっていたり、M3のロゴがあったり、スピードメーターが330㎞/hまで刻まれていたり、やはりM3なのだと意識させられます。
また、シートの形状が違うこともありますが、座り心地が良くなっているように感じました。これに関しては一緒にいた妻も同じ意見で、クッションの材質か中の構造が違うのかなと。
実際に運転してみた感想
それでは、実際にM3を公道で走らせてみた感想はと言いますと、非常に良い!の一言です。
エンジンを始動させると車内に響くエンジン音は、アイドリングから迫力があり通常のグレードとは違うということを、再認識させてくれます。この手の車に興味の無い人は、ただ単にウルサイとしか感じないかもしれませんが、私のような人種は血が騒ぐこと間違いなしです。
いざ走り出してみると、その乗り心地の良さに驚愕します。BMWのMモデルというと、サスが固いというイメージが先行しがちですが、減衰力を調整できるアダプティブサスペンションが良い仕事をしているようで、街乗り向けのコンフォートなセッティングではMモデルとは思えないほど快適です。
今回の試乗はディーラーの近所を一回りしただけなので、あれやこれやと試すことはできませんでした。しかし僅かな試乗でも、M3が通常のモデルとは違う特別なモデルであることは良く分かりましたし、アダプティブサスペンションの乗り心地がとても良く、これなら日常使いにもイケると感じました。
車内で聞こえるエンジン音、BMWのオーナーなら知っている人も少なくないのですが、純然たるエンジン音ではなく加工された音がスピーカーから流れています。私もそれを知ったときは、そんなのありか!と思ったものですが、今となってはなんとも思いません。周囲にやかましい音をまき散らすより、ドライバーが満足できればそれで良いと考えるようになりました。そもそもこのエンジン音、言われてもスピーカーから流れているようには聞こえません。
どうしても嫌だって人以外は、あまり気にすることはないと思います。
買う?買わない?
試乗してみて、M3を買うか買わないかと聞かれたら、正直に言って迷います。中身はとても私の好みに合っていて、いつまでも乗っていたい、峠道やサーキットを走ってみたと感じました。それでもやはり、フロントフェイスのデザインが気になってしまいます。乗ってしまえば見えないと言う人もいますが、それだと車のデザインなんかなんでも良いとなるわけで。
今のところすぐに乗り換える考えはないのですが、いずれその時が来たらどうなるか分かりません。フロントフェイスが気に入らないけど、中身は凄く気に入ったのです。M3に試乗した結果、今まで以上にALPINA D3が気になってしかたありません。