BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント

BMW G20 320d

少し前のことになりますが、「ハイ!メルセデス」と車に呼びかけ、音声でエアコンを操作するTVCMがありました。これと同じようなシステムが、BMW G20 3シリーズにも搭載されています。

呼びかけは「OK!BMW」

このシステムを起動させる合い言葉、ウェイクアップワードは「OK!BMW」。運転中にいきなり「OK!BMW」と呼びかけるだけでシステムが起動し、車と対話形式でいろいろな機能を操作することができるのです。

愛車と対話ができる。まるで80年代のTVドラマ、「ナイトライダー」に登場する夢のスーパーカー「ナイト2000」のようです。ナイト2000に搭載される人工知能「K.I.T.T(キット)」は、まるで人間のように流暢に言葉を話し、様々な機能で主人公を助けてくれます。

ついにスーパー人工知能が目の前に!

夢と期待に胸を膨らませ、叫ぶ言葉は「OK!BMW」

しかし現実はそれほど甘くはありませんでした。

「OK!BMW」

「OK!BMW」

「OK!BMW」

「返事しろ!」

何度呼びかけてもぜんぜん起動せず、スピーカーから聞こえてくるのはラジオ放送のみ。私の滑舌が悪いのもあるでしょうが、夢の人工知能「 K.I.T.T(キット) 」は夢のままでした。

呼びかける以外にも、ステアリングに付いているボタンを押すことで、システムを起動させることはできます。呼んでも返事をしてくれないので、私はいつもこちらを使用しています。

使い物になるのか

この「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」でなにができるのかというと、全てを試した訳ではありませんが、概ね以下のことができます。

  • エアコンの操作(温度、風量、ON/OFF)
  • シートヒーター(レベル調整、ON/OFF)
  • カーナビの操作(目的地検索、ルート案内など)
  • 天気予報
  • 車の状態(オイル量、アドブルー残量、タイヤ空気圧など)
  • 他にもなにかできるかと・・・

ウェイクアップワードを聞き取ってくれないことは前述の通りですが、その後の操作に関してはそれほどひどくはありません。ただ、一度うまくいかなかったときは、キャンセルしてシステムの起動からやりなおさないと、聞き違いばかり続きます。運転中にステアリングから手を離さず操作できるのはありがたいのですが、このへんはもうちょいなんとかならないのかと・・・。

そもそも、どんな単語に反応するのか分かりづらいのです。たとえばエアコンの風量を調整するのも「エアコンの風量」では反応せず、「ブロワー」と言わなくてはなりません。この「ブロワー」という単語に行きつくまで、「風量」「風の強さ」などいろいろ試しました。

AIに学習機能があるので、使えば使うほど良くなっていくとディーラーは言うのですが、反応する単語も学習してくれるのでしょうか?それとも私の滑舌が悪いのが原因なの?

結論

結論を申し上げれば、今後に期待する面も少なくないですが、それなりに使えるシステムだと思います。ナビの目的地検索などは、良いときと悪いときの波があります。何度やってもダメなときはダメなので、AIが理解しやすい単語とそうでないものがあると感じます。

エアコンのON/OFFや温度・風量の調整、シートヒーターの操作など、前方から視線を外さずに操作できるのは良いことだと思います。

さらに技術が進歩し、早く「K.I.T.T(キット)」が現実になって欲しいものです。