BMW M340iに乗り換えて約1年 その軌跡を振り返る

BMW G20 M340i

M340iの納車から約1年

以前の愛車BMW G20 320d MsportsからM340iに乗り換えて、早いもので一年以上が経ちました。これまので走行距離は、約17,000kmほど。一般的なドライバーとしては多い方だと思いますが、私的にはそれほどでもない距離。

山の中でのワインディング、市街地、高速道路と様々な道を駆け抜けた一年。良い機会なので一年を振り返り、BMW M340iに乗り換える切っ掛けから、今までの感想を書いてみたいと思います。

M340iに乗り換えのきっかけ

まず最初に、なぜ乗り換えを考えるに至ったのか。以前の愛車はBMW 320dというディーゼルエンジンを搭載したモデルで、それのMsportsというグレード。2Lターボディーゼルはトルクフルで、体感的には充分すぎるほど速かった。BMWのディーゼルは、F30 320dとG20 320dの2台を乗り継いだのですが、どちらも走りが良いうえに燃費も良くて最高でした。

普段お世話になっているディーラーのセールスマンK氏は、ことあるごとに連絡をくれます。そんな中でアルピナの試乗車が来てる、Mモデルの試乗車があると言われると興味を惹かれるもの。何度か誘われるままにM3やALPINA D3の試乗をしたりもしましたが、そのときは真剣に乗り換えを検討していなかったこともあり、それで終わりでした。

しかしG20 320dの2度目の車検が近づいてくると、K氏は徐々に仕事熱心になってきます。以前試乗したアルピナはディーゼルだったので、次はガソリンのB3を試乗するため世田谷のショールームへ連れていかれたり、あるいは4シリーズのカブリオレを貸してくれたり、あの手この手で買い換えさせようとするのです。

G80型BMW M3

G80M3は非常に楽しいクルマでした。思わず買ってしまおうかと真剣に思ったほど。しかしM3は少しばかり過激すぎでした。昔は日産シルビアでサーキット走行を楽しんでいたので、M3は私の好みにぴったりではありました。しかし現在はサーキットへ行くこともなくなり、BMWの主な用途は休日のロングドライブ。山の中でワインディングを好んで走るとは言え、峠やサーキットを攻めるわけでもないのにM3は持て余してしまうなと。

更にロングドライブのときはシートを倒して寝ることも多く、M3のシートはそれに適さないと思える形状でした。アイドリング~走行中のエンジン音や振動は心地よいのですが、長時間は疲れそうだなと。

ALPINA D3

アルピナも良いクルマでした。快適で長距離を走っても疲れないと思えるほど。しかし残念なことに、私にとっては刺激が足りなかったのです。アクセルを踏み込めば勢いよく加速するのですがあまりにもスムースに加速するので、うっかりするとスピードメーターがとんでもない速度を示してしまいそうになります。快適で速いという意味では、とても良い車だったのですが刺激が・・。もっと年齢を重ねていれば、結果も違ったかもしれません。

そんなときにK氏がM340iはどうですか?と。そういえば、これはまだ試していない、ということで半日ほど借りて試乗。およそ100kmほど走ったのですが、それがまぁ楽しいのなんのって。

以前から選択肢としてあったBMW M3、ALPINA B3は非常に良いクルマでしたが、私の好みや用途から若干のズレがありました。しかしM340iは、今の私にとってベストな一台であると思えたのです。

こうなると一気に購買意欲が湧いてきます。セールスマンK氏の術中にハマったような気がしなくもないですが、このとき私はM340iの魅力にとりつかれていたと言っても過言ではありません。

M340i納車

BMW G20 M340i

そしていざ納車の日がやってきました。ディーゼルエンジンを2台乗り継ぎ久しぶりのガソリンエンジン、それもMperformanceモデル。楽しみでしかたありません。

選んだボディカラーは、以前と同じポルティマオブルー。今までのクルマ人生で4台目の青。ましてや今回はマイナーチェンジなだけで同型車、車に興味がない人は気が付かないかも。せっかくなので2台並べて記念撮影。そんなことができるのもこの日だけ。最初で最後のツーショット。

このときはまだMperformanceブレーキは装着していません。他のグレードと違いM340iだけは、大径のスポーツブレーキが標準装備されていたのです。そのため後で考えればいいと思い、このときは保留としました。

M340iの走りはどうか

M340iが納車され、それからというもの天気が良い週末はドライブに行く日々。なにせ楽しくて仕方がないのです。以前のBMW 320dもトルクフルで良かったのですが、やはりディーゼルエンジンよりガソリンエンジンの方が楽しいことを再確認。

高回転まで伸びる快感、久しく忘れていたガソリンエンジンの魅力。公道でアクセル全開などできませんが、あるていど踏み込むだけで十分にその良さが分かるのです。こいつでワインディングをドライブしていると昔を思い出し、またサーキットへ舞い戻りたくなってしまったことは一度や二度ではありません。

アクセルを踏み込むと、387psというパワーが炸裂。FRであればテールスライドを誘発しかねないそのパワーも、四輪駆動がしっかりと路面に伝えてくれるので、不安感はまったくありません。

サーキットを走るのであれば、今でもFRが良いと思っています。四輪駆動はエンジンのパワーを効率良く路面に伝えてくれるため、近年のハイパワー車には打って付けかもしれません。それに対しFRはドライバーの操作次第でオーバーステアにもアンダーステアにもなるので、クルマを操ることを楽しむことができると考えます。

ただしこれはサーキットの話であり、公道では安全が第一です。より安定性の高い四輪駆動は、ワインディングのドライブには良い選択だと言えるでしょう。

M340iが走るのはワインディングだけではありません。当然、市街地や高速道路の移動もするわけですが、M340iは普通のセダンとして使用しても快適です。減衰力可変ダンパー「アダプティブMサスペンション」が標準装備されていて、市街地走行に適したコンフォートモードにすると、なんていうかもう普通の乗用車みたいな乗り心地。

過去に乗ってきたBMWはMsportsというグレードで、アダプティブサスペンションは標準ではありませんでした。オプションでは用意されていたのですが一度も選択したことはなく、M340iに乗り換えてからが初めての体験となっています。

それが想像していたより、遥かに良かった。Msportsで標準のスポーツサスペンションは、固めのセッティングでした。そのためコーナリングや高速走行時の安定性は良かったのですが路面からの突き上げが強く、乗り心地という点においては良いとは思えませんでした。

しかしアダプティブMサスペンションのコンフォートモードは、路面からの突き上げも角が取れたように柔らかくいなしてくれるのです。そのためワインディング以外の長距離ドライブも楽になり、以前にも増してあちこちに出かけたくなってしまいました。

高速道路では、アダプティブクルーズコントロールが大活躍。これは速度・車間距離・車線キープを自動でしてくれる優れもので、高速道路での移動が格段に楽になります。そのため長距離移動の疲労が段違いで軽減され、もはやこれなしには遠出ができないほど頼り切っています。

M340iの満足度

M340iに乗り換えての満足度については文句なく大満足。2台続けてディーゼルモデルを乗り継ぎ、久しぶりのガソリンモデル。やはりブン回して楽しいのは、ディーゼルよりガソリンエンジンだと再認識。それがましてやM performanceモデルとなれば、当然のことかもしれません。

燃料が軽油からハイオクガソリンになってことで、年間の燃料代が増えてしまいましたが、そんなことが気にならなくなるほどのドライビングプレジャーです。とにかくM340iを走らせることが楽しくて仕方ない。ディーゼルエンジンの経済性は非常に魅力的でしたが、やはりこちらの方が私の好みに合っているようです。

またBMW 3シリーズはDセグメントのミドルセダン。ちょうどよい大きさで、どこへ行っても取り回しに苦労することはありません。困ることがあるとすれば、機械式立体駐車場に停めたいと思ったときでしょうか。横幅1.8m以下という制限が少なくないので、入らないことが多々あります。もっとも私の場合、機械式立体駐車場を利用することが希なので、ほぼ関係ないんですが。

なんにせよBMW M340iはとても良いクルマで、大変気に入っています。暫くはコイツを相棒に、あちこち駆け抜ける日々が続くことでしょう。