午前9時になろうかという頃の諏訪湖SAに佇むBMW、外気温計が示すのは11.0℃の表示。もはや涼しいを通りこして肌寒いくらい。記録的な猛暑も影を潜め、いよいよ本格的に秋の訪れを感じる今日この頃。クルマを走らせるのに、もってこいの季節の到来と言っても過言ではありません。
これから向かうは飛騨高山。今回はいつもより良い宿を押さえてあるので、クルマを走らせるより宿に滞在することが主目的になります。滞在時間を最大にするため、チェックイン可能な15時過ぎに到着するつもりでいます。あちこちドライブしてまわりたい気持ちは封印し、時間の読める慣れたルートで向かうことにします。
定番にしてお気に入りのルートは、中央自動車道 伊那ICから国道361号をトレースするコース。長くツマラナイ権兵衛トンネルだけがネックですが、それを越えてしまえば嫌なカ所は特にないのでほぼ快適に走れるルートです。
このときも交通量は非常に少なく終始マイペース走行。と、それはいいのですが腹が減ってきました。早朝に自宅を出発し、コンビニのオニギリを食っただけ。時計の針は午前10時半頃を指していますが、もう我慢できません。今夜は良い宿に良い食事が待っていまるので早めに食って夕飯のときに空腹にしておく作戦とし、ここで早めの昼メシを食ってしまいます。
昼飯を食いに立ち寄ったのは「道の駅 木曽川源流の里きそむら」で、入るなり迷わず食堂へ直行。メニューに目をやると、蕎麦・カレー・ロースカツ定食に山賊揚げ定食、ラーメンに親子丼とどれも旨そうで迷ってしまいます。そして決定したのが親子丼。
ここの親子丼は初めて食べましたが、結果として当たりでした。味付けはけっこう甘めで、それがタマゴとご飯に良く合って箸が止まりません。他では知らないほど甘い味付けですが、これはこれでアリ。食い終わったばかりでなんですが、もう一度食いたいと思いました。
腹もふくれたところで再びステアリングを握り、飛騨を目指してBMWを走らせます。私にとって飛騨へ向かうお決まりのルートである国道361号線は、いつもどおり交通量極少。他のドライバーがどうしてこんなに快適な道を走らないのか、疑問で仕方ありません。
周囲を山に囲まれその間を縫うように走る国道、その山々に目をやると期待に反してあまり紅葉はしていません。ところどころ紅くなっているところはありますが、それもごく一部。もう少し色付いているかと思いましたが、ちょっと残念。あとちょっと秋が深まれば、きっと美しい紅葉を見せてくれることでしょう。
気持ちよくBMWをドライブしていると、なにやら派手なクルマが走っています。あぁ、たまに見かけるラリーレプリカ・・か?一台だけならともかく、次々と同じようなクルマが走ってくるところを見ると、近くで競技を開催しているのでしょうか?
そんなことを考えながらBMWを走らせていると、ガソリンスタンドに給油待ちの行列が!それも全部ラリーカーばっかり。スタッフに声を掛けて聞いてみると、やはりこのエリアでラリーをやっているとのこと。どうやらこの道は、競技のリエゾン区間になっているようです。
写真を撮らせてもらっても良いかと尋ねたところ、「いいですよ、むしろ撮ってやってください」とのこと。それなら遠慮なくビシバシ撮らせてもらいましょう。カメラを向けるとドライバーやナビゲーターの人が、快く手を振ってくれます。サービス精神旺盛ですね。
それぞれ車両を良く見てみると、明らかにガチな車両と一般車に毛の生えた程度の車両が混在しています。ラリーのことは詳しくありませんが、きっとクラスごとにいろいろな車両がいるのでしょう。ラリーではありませんが、私も昔はサーキット走行などを嗜んでいたのですが、この手をクルマを見るとその頃を思い出してしまいます。
本日の目的地である宿は岐阜県高山市内。チェックイン可能な15時に到着したかったのですが、着いてみると15時半。途中でラリーカーを見物していたら、思いのほか時間が過ぎていたようです。そんなに長い時間見ていたつもりはないのですが、楽しいことは時間が過ぎるのも早いので、意外と時間をくっていたのかも。
さて、本日のお宿はいつもより良いところ。たまには贅沢をして日頃の疲れを癒やそうと考えたのですが、静かな和室に天然温泉の露天風呂付き、夕食だって飛騨牛のヒレステーキと贅沢三昧。なんだかバチが当たりそう。夕食までに少し時間があるので、その間にやる事と言えば露天風呂。すでに露天風呂に入ることは可能とのことで、さっそく温泉を堪能します。
その温泉はトロトロとしたお湯で、なんだかお肌がすべすべになりそうな気がしてきます。さすがは天然温泉、自宅の風呂とは雲泥の差。そうこうしているうちに夕食の時間になったので、宴会場の個室へ移動しましょう。
夕食の会場である宴会場の個室へ向かうと、すでに用意がされていました。席に着いて待っていると仲居さんがやってきて、固形燃料に着火。いよいよ夕食を堪能するときが来たようです。飛騨と言えば飛騨牛、それが今夜のメインなのでありますが、それ以外の野菜や刺身も大変に美味。基本的に地元で採れた食材を使用しているようですが、刺身だけは富山産のもの。岐阜県には海がないのでやむを得ません。
松茸の土瓶蒸しも最高の贅沢!主役である飛騨牛のステーキは柔らかく、口へ入れると溶けるようになくなってしまう。脂にも甘みのようなものがあり、そこらへんの肉とは格の違いを見せつけられた気分。そして追加でオーダーした飛騨牛の握りずしなんて、これもとろける柔らかさで腰が抜けそうなほどの旨さ。
どれもこれも旨すぎるほど旨くて、至福のときを過ごしました。
翌朝の朝食は和食。飛騨地方の郷土料理、朴葉味噌。飛騨牛もそうですが、これを食うと飛騨へ来たって感じがしますね。朝食を済ませ部屋へ戻ってまったりタイム。せっかく上等な宿に泊まっているのだから、時間ギリギリまでゆっくりしないと損。
なるべく滞在時間を多く取り、存分に宿を堪能してからチェックアウト。いや~今回は良い旅でした。あとは自宅へと帰るだけ。チェックアウトが遅かったので、寄り道する時間的余裕などありません。このまま自宅へと帰ることにしましょう。
宿も料理も良かった・・・またいつか来よう。
【走行距離】954.1km
【ドラめし】親子丼(道の駅 木曽川源流の里きそむら)