タイヤはなぜ黒ばかりなのか?
それは法律で決められているから・・・・ではありません。
車にとって路面と接するのは、唯一タイヤのみ。そして車両全体の重量が、普通車であれば4本のタイヤに、すべてのし掛かってきます。
1tを優に超える車体をタイヤだけで支えるには、当然それなりの強度が求められるというもの。しかしゴムというのは、本来それほど強靱なものではありません。
そのゴムに強度を持たせるため、配合されているのがカーボンブラック。
カーボンブラックは、
- 非常に高い着色力
- 熱に安定
- 紫外線吸収能にすぐれ紫外線劣化防止の効果がある
- 導電性に優れる
- 安定した抵抗性能を持つ
上記のような特性を持つ炭素粒子で、人類は紀元前より着色料としてカーボンブラックを利用してきました。
通常ゴム製品は、加硫といって硫黄を混ぜて加熱し強度を高めます。タイヤは車の重量を支えエンジンの力を路面に伝えるため、これだけでは十分な強度を得られません。
タイヤのゴムにカーボンブラックを加えることで、タイヤとしての性能を発揮できるだけの強度を得ることができるのです。
しかし近年は補強材としてのカーボンブラックの使用料は昔より減少しており、代わりにシリカ(二酸化ケイ素)を配合しています。
もしかしたら、将来はカーボンブラックを使用せず、黒以外のタイヤが当たり前になる時代がくるかも知れませんね。