首都高の料金所がETC専用化

料金所

首都高速をETC専用に

かねてより計画のあった高速道路料金所のETC専用化計画、それがついに動き出すことに。まずは首都高で一部の料金所がETC専用になります。いままでもETC専用のスマートICというのはありましたが、今回の件は従来の料金所をETC専用化するということになります。

首都高では、近年のETC利用率拡大等の社会情勢の変化を踏まえ、2022年4月から34カ所の料金所を新たにETC専用とします。既にETC専用入口の馬場料金所1カ所を加え、合計35料金所をETC専用入口とし、2025年度中までに約9割(約160カ所)まで順次拡大していく予定です。

首都高ドライバーズサイト

まずは2022年度中に34か所がETC専用になり、2030年頃にはすべての料金所をETC専用にする方針なのだとか。首都高を走るクルマの90%以上がETCを装着車している現在、大半のドライバーには利便性としてはなにも変わらないことでしょう。そもそも、すべての料金所をETC専用とすることに、なにかメリットはあるのでしょうか?

ETC専用化によるメリットはあるのか?

前述のとおり、ETCをすでに使用しているドライバーにとっては、特に利便性の向上があるわけではありません。そうなると、ETC専用化することによるメリットはあるのでしょうか?残念ながら私はメリットがあるようには思えません。
首都高のサイトには、以下のことが利点であるかのような記載があります。

  1. 空いている時間帯や経路の割引など、柔軟な料金設定が容易になり、混雑を緩和してお客様の生産性向上を図れます。
  2. 人員確保が困難になる中、係員がいなくても料金所の機能を維持できます。
  3. お客様や料金所の感染症リスクを軽減できます。

まず1については、現状のままでも対応できるはず。現金専用の入り口がない以上、ETC車に限り適用することは難しいことではありません。
実際、時間帯による割引や走行経路による割引などは、すでに実績があります。

2について、現金レーンがなくなれば確かにその分の人員は削減できますが、ETCが機械である以上はメンテナンスをするための人員は必要です。また、通信エラーなどのトラブルが起きたときに対処するため、料金所を無人にできるわけではありません。現金ブースをなくして削減した人数と、必要になるメンテナンス要員で差し引きどれだけの削減効果があるのでしょうか。

3は確かにそのとおりですが、ETC専用化のメリットとしては無理があるように思えます。

首都高の公式サイトに記載されてるメリットは、上記の3点。正直なところドライバー側にはなんのメリットも感じません。それどころか、首都高速側のメリットもそれほど大きいとは思えません。またETC専用化の計画は首都高速だけでなく、ほかの高速道路も含まれます。つまりいずれは全国の高速道路がETC装着車専用となり、現金ユーザーは利用できなくなるということ。

多額のコストを掛けてまで、あえてETC専用とする必要性を感じないのですが、途中で計画が頓挫するような気がしないでもありません。