記録的酷暑の夏に起こったエアコン不調

BMWのエアコン

真夏のエアコントラブル

今回の記事は以前の愛車、BMW F30 320d に発生したエアコンのトラブルです。2018年夏のことですが、当時の記録を元に旧ブログの記事を加筆修正しました。

前兆

2018年の夏は、観測史上初めての6月に梅雨明けから始まり、全国各地で40℃を記録するなどとんでもない酷暑。そして我が愛車 BMW F30 320d は、よりによってこの酷暑の夏にエアコンが使えないというトラブルが発生。

最初に異変を感じたのは東北ツーリング初日のこと。高速道路を降りて道の駅へ向かっている途中に、エアコンの風量が弱くなっていることに気がつきました。風量を手動で調整しても、設定温度を変えても風が強くならないのですが、ダッシュボードの向こう側からブロアーらしき音は聞こえてきます。

正直、肝が冷える思いでした。真夏にエアコンが使えなくては、まともにクルマを走らせることなど出来るはずがない。近くのディーラーで点検してもらおうかと思ったのですが、道の駅でエンジンを停止させトイレから戻るといつも通りの風量です。エンジンの停止・再始動を繰り返しても同じ症状は出ません。

機械というものは、なにかの拍子に機嫌が悪くなることがあります。しょせん車も機械、何かの拍子に機嫌が悪くなっただけだろうと自分に言い聞かせ、そのままツーリングを続けることにしました。

まさか、これが悪夢の始まりとは・・・。

頼りにならないエマージェンシーサービス

その後はしばらく何事もなかったのですが、再び不調を来したのは、4日目のこと。
時間は午前8時を過ぎた頃、なんだか車内が暑くなってる気がしてきてエアコン吹き出し口に手をやると、風量が明らかに弱い。それどころか、時間の経過とともに更に弱くなっていく始末。

エンジンを停止・再始動を繰り返しても復調しません。初日の症状と全く同じで、ブロアーの音はすれども風は出ず。このような時に頼りになるのが、BMWエマージェンシーサービス。近くのディーラーを教えて貰おうと携帯電話を取り出したのですが、よりによって圏外。

携帯電話が繋がる場所まで車を走らせ、ようやくBMWエマージェンシーに繋がったのでオペレーターに状況を説明します。
するとオペレーターの方が言うには、エンジンを停止しドアロック後、20~30分経過すると電装系が全てシャットダウンするので様子を見て欲しいと。

良し分かった、それはやってみるとして、やはりディーラーで点検もして欲しい。

どこか営業しているディーラーはないかと訪ねると、お盆休みは東北のディーラーは全部休みとのこと。他にBMWエマージェンシーで対応できるのは、レッカーを呼ぶことだけだと。そんなことをしたところで、レカーした先が休みでは意味がありません。

ちっとも頼りにならねぇ・・・。

とりあえずレッカーが必要になったら再度電話するとして、オペレーターに言われたことを試してみることに。田沢湖まで来たところで、食事とお土産を物色しつつ時間をつぶし再度エンジンを始動させると、エアコンが復調しています。最近の車はコンピュータ制御なので、パソコンと同じでちょっとバグっただけか?

しかし喜びも束の間、30分もしないうちに再びトラブル発生。

その後も、エアコン不調→30分休憩→復活→30分程度で不調を繰り返し、一向に収まる気配がありません。結局、今回の2018年東北ツーリングはあと1日の予定を残し、途中で切り上げて帰って来ました。
その帰路も全く同じ状況で、エアコンが不調になるたびにサービスエリアで休憩し、なんとか自宅まで辿り着いたのです。

東北北部はまだ過ごしやすい気温のため、窓を開けて走っていれば大丈夫だったのですが、南下するにつれ気温と湿度が急上昇。徐々に耐えがたくなってきたのですがエアコンは使えない・・・。

周りを走るクルマを見ても、窓全開なのは我が愛車のみ。2018年にもなってエアコンが無いとか、ありえない・・。地獄の暑さに耐えながら、なんとか自宅へと生還。

ディーラーへ

地元のディーラーはお盆休み中も営業しているので、すぐに電話を入れ点検の予定を組んで貰います。すると本日でも入庫できるし代車もあると。それならと、いつも通りに代車乗って車を引き取りに来てくれとお願いすると・・・

デ「申し訳ありません、諸事情でお伺いできないのです」
私「忙しい?別に今日じゃなくてもいいよ?」
デ「実は・・・・・昨日から免停なんです・・・・」
私「は?」
デ「免許停止です・・・・」

車屋の営業が免停って、仕事にならねぇだろ!

どうせ予定を切り上げて帰って来たのでヒマだし、免停の件でイジってやろうと思いすぐにディーラーへ。ディーラーに到着しエアコンの症状を説明し、その後免停の件に。なんでも右折禁止で2回、切符を貰ったのだとか。

それだけで免停?聞くと免停の前歴があるからとのことで、更に講習を受けても30日は免許が停止されるとか。
なにやってんだか、まったく。とりあえずこの日は点検を依頼し、代車を借りて自宅へと帰りました。

修理そして再発

原因

そして数日後ディーラーから連絡があり、原因はエバポレーターの凍結だと言うことです。エバポレーターの温度が0℃まで下がった記録が残っていたことと、吹き出し口から小さな氷が飛び出てきたことでそう判断したようです。

エバポレーターとは冷媒を気化させることで温度を下げ、そこにブロアーで風を送りエアコンの冷風を作る装置のこと。ブロアーの風は細いフィンの間を通り冷風となるわけですが、そのフィンが凍結してしまい風が通らなくなったと。

エアコン自体の機能には問題はなく、エバポレーターの温度が3℃より下がらないよう、制御プログラムを変更したので、これでもう凍結はしませんとのこと。

そもそも凍結しないように制御されてるんじゃねぇのかと思わなくもないですが、とりあえずはこれで様子を見るしかありません。

それでも説明を聞いてある程度の合点はいきました。エンジンを停止しある程度の時間をおくと、何事も無かったように復調すること。エバポレーターの凍結が原因で風が通らなくなっているのなら、そりゃ時間をおけば氷が溶けて暫くは普通に動くのは当然かと。

しかし・・・これで終わりではありませんでした。

再発と対処方法

制御プログラムの変更し、それからは問題なく作動していたエアコン。しかし、あるとき風量が弱くなっていることに気が付きました。吹き出し口に手をやると、明らかに弱い。そして時間とともに更に弱くなっていく。

プログラムを変更し直ったはずのトラブルが、再発したことを確信。しかし前回と違うことは、対処方法が分かっていること。エバポレーターが凍結し閉塞することが風の出ない原因なら、氷を溶かせばいいだけのこと。

やることは簡単、「A/C」をOFFにし送風にするだけ。

エアコンをOFFにすることで、エバポレーターは冷えなくなります。つまりこれ以上の凍結はしないということ。さらに外気導入にすることで、気温の高い外気をエバポレーターに当てれば氷は溶ける。そう考えそのまま送風を続けていると、徐々に吹き出し口から風が出始めました。

これは即ち氷が溶け始めたということ。外気温度が高いため、大した時間もかからず風量は元通りに復活。目論見通りにエアコンが復活し、これでたとえ再発してもその場で対処可能なことが確認できました。

その後

エアコンユニット交換

トラブルが再発したことをディーラーへ連絡し、再度入庫することに。しかし明確な原因は不明で、現時点でディーラーレベルで対応できることはありません。後日連絡があり、メーカー側といろいろ打合せを重ねた結果、エアコンのユニットごと交換することになったとか。

エアコンのユニットと言っても、エバポレーター、コンプレッサー、コンデンサーなど複数の機器があるので、その全てを交換したかは定かではありません。詳細まで聞いておけば良かったのですが、失敗しました。

今回のトラブルで特徴的と言えることは、外した部品をメーカーが回収していったということでしょうか。セールスマンの話では、原因が特定できないため回収したらしいので、今後のために調査でもするのでしょう。

ユニットごと交換してからは同様のトラブルは発生していません。しかしあまりエアコンを使用しないまま冬を迎え、翌年のGW過ぎにクルマを乗り換えてしまいました。そのため最終的にトラブルが解決したのか、はっきりしないままとなっています。

その後ディーラーの中古車センターに並べたところ、誰かが購入したそうですが大丈夫なのかな・・・。