積雪時にノーマルタイヤで特攻は違反 警察は積極的に取締るべし

雪道

大規模な立ち往生が発生

先日、新潟県内の国道8号線で大規模な立ち往生が発生したとの報道がありました。毎年のようにどこかで発生する立ち往生、このような状況にもかかわらず、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)で雪道に特攻するドライバーが後を絶ちません。ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤと違い、雪や凍結路を走行することを想定していません。そのため僅かな積雪でもスリップしてしまい、まともに走ることができないのです。

雪の中をノーマルタイヤで走ることは危険極まりないのですが、そもそも違反であり検挙の対象です。このことを知らないドライバーも少なくないようですが、沖縄県を除く各県で積雪や凍結で滑る恐れのある場合は滑り止めを装着するという条例があります。ここで言う滑り止めとは、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤのこと。それがなければ条例違反で検挙の対象になります。

トラックでもノーマルタイヤのまま?

トラックは重量があるため普通車に比べると雪道、特に上り坂で立ち往生しやすいのですが、プロであるはずのトラックドライバーでさえノーマルタイヤのままで雪の中を走る人がいるようです。はっきり言って言語道断。

雪の中をノーマルタイヤで走るなど一般ドライバーでもやってはいけないことなのに、プロドライバーならなおのこと。立ち往生して自分だけが困るならともかく、現実には道を塞ぎ世間に多大な迷惑を掛けてしまいます。もちろん万全の準備をしていれば完璧かと言えば、そんなことはありません。しかし充分に準備をして不運にも立ち往生してしまったのと、そうでないのとでは天と地ほども差があります。

しかしドライバーだけを責めることは酷なこと。トラックドライバーの大半は会社員、勤務先の会社がスタッドレスタイヤを用意してくれないこともあるでしょう。それでも行ってこいと言われれば、行くしかないのが会社員ドライバーなのです。

特に企業が社有車にスタッドレスタイヤを用意しなかったことが立ち往生の原因であれば、やはりペナルティが必要ではないでしょうか。企業の場合は個人よりも大きな社会的責任があるとの考えからです。

警察は積極的に取り締まるべし

雪道をノーマルタイヤで走ることが違反とは言え、この件で検挙されたという話は聞いたことがありません。前述の規制は都道府県の条例で定められたものなので、検挙されても免許の点数には関係ありませんが、代わりに罰金等が発生します。このあたりが警察が積極的に取り締まらない理由なのでしょうか。

しかしすべてのドライバーには安全運転の義務が課されており、安全運転義務違反という交通違反があります。これは普通自動車で違反点数が2点、反則金が9,000円となっています。道路に雪が積もれば滑りやすいことは、子供でも知っていること。このような状況でノーマルタイヤのまま特攻するなど、明らかに安全運転義務に反しているので条例に関係なくこの違反で検挙できると考えられます。

雪の中をノーマルタイヤで走ることは、クルマをコントロールできないという意味では飲酒運転と大差ありません。世間に大迷惑をかけるノーマルタイヤの特攻隊、ここぞとばかりに違反切符を切りまくって一網打尽にしてもらいたいもの。すべての違反車両を取り締まることはできなくても、ドライバーの間に違反だという認識が広がれば少なくとも数は減ります。

雪が積もるたびに立ち往生やスリップ事故が絶えないのは、ドライバーはもとより警察にも責任があると考えます。