5月の連休と双璧を成すお盆休み、今年の行き先は東北。当初の計画では九州へ向かうはずでしたが今年は異常な猛暑、関東以上の高温が続いている九州へ行くのはツライと判断し行き先を変更。
渋滞を避けるため深夜に自宅を出立。NEXCO東日本の渋滞予想によると東北道では渋滞が予想されるものの、常磐道では目立った渋滞は発生しない予想です。
休憩を挟みつつ闇に包まれた常磐道をひた走り、いつの間にやら太陽が十分に昇った頃に松島大郷ICで一般道へ。ここから松島海岸へはそう遠くなく、日本三景のひとつ松島がそこにあります。が、そんなものには目もくれず、海とは逆の内陸へとBMWのステアリングを切るのです。

そして暫く走ると見えてくる「道の駅おおさと」は、初めて訪れる・・・はずが、なんとなく見覚えが?そうだ!思い出したぞ、あの悪夢の夏を。
2018年の夏、その当時はBMW F30 320d を愛車としており、よりにもよって酷暑の夏にエアコンがトラブったのです。そのとき異常に気が付いたのが、この道の駅でした。いやぁ、あのときは本当に参った。もう二度と真夏にエアコントラブルなんて勘弁してほしい。ちなみに、その時の記事はこちら。







イヤな事を思い出してしまいましたが、今年の東北ツーリングは始まったばかり。気を取り直して出発。今回もまた計画らしい計画などない、行き当たりばったりの旅なので、次にどこへ向かうか何も考えていません。決まっているのは今夜の宿のみ。
当面の目的地として「道の駅上品【じょうぼん】の郷」を設定。道の駅をハシゴするというのも、慣れない土地だとまた新鮮な感じがして嫌いではありません。幹線道路を外れると交通量が激減し、信号もロクに無い田舎道をポツンとドライブ。澄んだ青空は今回の旅を暗示しているよう。
暫し走り「道の駅 上品の郷」に到着した頃には、空腹を覚え始めていました。ここは国道45号に面しているためか利用客が多いようで、駐車場がほぼ満車の状態。なんとか空きスペースを見つけたものの、構内をウロウロするクルマの姿も少なくありません。あっさりと停められたのは運が良かったのでしょう。
時間が早めなのでフードコートはガラガラです。昼のドラめしにはちょいと早めですが、混雑する前に済ませてしまいたい。このとき食ったのが、みやぎサーモン漬け丼。これがまた想像の遥か上をいく旨さで、思わず唸るほど。これはまた食いたいと思わせる逸品です。
旅をする楽しみのひとつは食事、いきなり当たりを引いたようで幸先の良い予感。旨いドラめしで気分良くなったところで、さらに北を目指しBMWを走らせます。
国道456号と平行するように走る東磐井広域農道は、まるでクルマの姿がなく走り放題。だからと言ってぶっ飛ばす訳ではありませんが、前にも後ろにもクルマがいないというのは自分のペースで走れて気持ちが良いものです。あまり調子に乗ってお巡りさんのお世話になっては元も子もないので、安全運転でクルージングを続け「道の駅 種山が原」に停車。
ここに寄ったのは単なる休憩ではありません。以前訪れたときに食った「ありすポークのカツサンド」が忘れられなくて、ぜひもう一度食いたいと思ったから。限定30食とのことなので残っているか心配でしたが、問題なく購入することができて一安心。しかし賞味期限はわずか30分という短さ、さっさと食ってしまわねばなりません。
その場でさっそく食ったわけですが、記憶に違わぬその旨さ。柔らかい肉と甘みのある脂は、私が知るトンカツの中では最高峰。これはまた再訪せねばなりません。また来ると心に誓い、道の駅を後にします。






そして翌朝、ホテルを出発したのは午前6時前のこと。道路上に設置された電光板によると、このときの気温は20℃しかありません。少し前まで関東では命の危険さえ感じる猛暑の連続でしたが、東北の朝は想像以上に涼しいのは嬉しい誤算。しかし天気に関してはお世辞にも良いとは言えません。
空を見上げると雲が多く、薄くなっているところからは僅かに青空が見え隠れしますが、これから向かう方向はそうではありません。晴天の下でのドライブが一番ですが、天気ばかりは人の力ではどうにもできないので気にしないことにします。
早朝の国道は人の気配もクルマの姿もなく、都会と違い空も広くて開放的な気分になるもの。ワインディングと違い走りを楽しむことはできませんが、早朝の幹線国道というのも昼間とは違う雰囲気で嫌いではありません。
昼まであれば交通量が多いであろう国道を静かに走り、向かった先は川井住田大規模林道。ほとんどクルマが通ることのない山の中を貫くその道は、クルマやオートバイで長距離ツーリングへ出ることが好きな人達は知っているであろう、無駄な道路の代表とさえ思える立派さ。
たとえ税金の無駄でも作ってしまった以上、走らなければもったいないというもの。嫌な予感が的中し弱い雨が降り始め、徐々にドライからウェットに変わる路面。無人のスーパー山林ハイウェイを爆走するBMWは、まるで解き放たれた獣のような咆哮を上げ加速する。このときの吹け上がりは、とにかく快感の一言。エンジン屋であるBMWの面目躍如と言ったところか。
駆け抜けた先にあるのは広大な牧場、そして馬。小高く丘になったところに馬の群れ、そして何頭かがこちらを凝視している。そんなに俺のイケメンぶりが気になるか?まぁ警戒してるだけかも知れませんが。
広い牧場を駆ける姿でも見せてくたらと思ったのですが、草を食むばかりで動く気配はなく。いい加減に飽きてきたので先へと進みましょう。M340iのエンジンに火を入れても、お馬さん達は知らんぷり。ちょっとは反応しろ。
牧場を駆け抜けた先、県道25号はとても狭かった。離合困難な隘路が続き対向車が来たらどうしようと不安になったものの、幸いなことに杞憂に終わりました。できることならもう走りたくない、狭い道は神経を使うだけで楽しくないのです。









いくらドライブが好きと言っても狭い道は走りたくないもの。とは言え地図だけでは、なかなか道の広さまでは分からない。行って初めて分かる未知の道も、旅の楽しみのひとつであることは確かなんですが・・・。
岩手県内の山中をドライブしていて気になったのが、ところどころ紅葉しているような気がするということ。たしかに東北へ来てからは、8月とは思えないほどの涼しさが続いています。
それでも紅葉するのは早くないか?それともこんなもの・・?
クルマから降りて確認しても、やはり葉が色付いているようです。東北の秋は早いのか、このまま夏が終わってしまうのか。夏が過ぎ去るのを寂しく思いたいところですが、記録的な猛暑は早く終わってほしい。
うろうろ適当にM340iを走らせて、漂着したのが道の駅三田貝分校。どうやらここは廃校になった小学校をリノベった道の駅らしく、その雰囲気は田舎の小学校そのもの。んで、腹も減ったのでここでドラめしとすることにしました。
ここ岩泉町で育った龍泉洞黒豚の生姜焼き、なにやら他とは違う旨味があるなと思ったら、岩泉リンゴジュースを隠し味に使っているんだとか。なるほどそうかリンゴか、たしかにそんな感じでクセになりそう。
その後、近くの早坂高原へ行ってみたところ、気温21.5℃の涼しさ。そこで鮎の塩焼きを買ったのですが、身がふっくらで旨いこと旨いこと。鮎は頭から尻尾まで全部食えるのがいい、最後に残るのは串だけ。頭を残す人も少なくないようですが、旨味が凝縮しているので食べてみてほしい。
この後は特筆すべきこともなく一日が終わり、明日以降もまだままだ旅は続くので宿で体を休めました。
後編へ続く・・・。