ガス欠、免許取り立ての初心者ならいざ知らず、ドライバーにとっては恥ずかしいミスの筆頭。それがディーゼル車であったなら、恥ずかしいだけでは済まない可能性すら覚悟しなくてはなりません。
燃料ポンプやインジェクターにダメージ
ディーゼルエンジンは燃料ポンプやインジェクターで燃料を高圧化して、燃焼室内に送り込んでいます。この高圧化で重要なのが軽油の持つ潤滑性。それがあるからこそ、燃料ポンプやインジェクターの密閉性を高めることが可能となり、高圧化の実現に繋がっています。
ガス欠によって、軽油の持つ潤滑性がない状態で燃料ポンプやインジェクターが空打ちしてしまうと、重大なダメージを受ける恐れがあり、最悪はエンジン本体の損傷に繋がることもあり得ます。
ガス欠したときの対処法
いくら気を付けていたところで、失敗してしまうのが人間というもの。もしディーゼル車をガス欠させてしまったら？
タンクに燃料がなくなってしまうと燃料ポンプからエアを吸ってしまい、このまま燃料を入れてもエンジンは始動しません。燃料ラインに混入したエアを抜く必要があります。ガソリンエンジンはガス欠しても燃料を給油すれば再始動できるのですが、それができないのがディーゼルエンジンの厄介なところ。
ディーゼルエンジンにはエア抜きをするための、プライミングポンプと呼ばれる部品があります。エア抜きバルブを開きそれをポンピングするのですが、エア抜きプラグからあふれた燃料の後始末などある程度専門知識が必要になります。また、エア抜きプラグを閉め忘れたりすると、燃料漏れで火災の原因になるので素人は余計な事はせず、JAFなどの救援を呼ぶのが得策です。
ガス欠だけでも恥ずかしいのに、車両火災まで起こしたら目も当てられません。
高速道路でガス欠は取締りの対象
どうもこの事を知らないドライバーも少なくないようですが、高速道路でガス欠を起こすと交通違反で取締りの対象となります。
| 反則行為 | 点数 | 大型 | 普通 | 二輪 |
| 高速自動車国道等遵守事項違反 | 2点 | 12,000 | 9,000 | 7,000 |
あまり聞きなれない名称ですが、とにかく違反は違反。ただし一般道では違反にはなりません。ただ恥ずかしいだけです。
高速道路はその名の通り、自動車が高速で走っています。そんな高速道路上でガス欠して停車など、違反であるかどうかより危険極まりないことです。事故にあう事を考えれば、違反で検挙されるのは運が良いと考えましょう。
またJAFの出動理由として、いつもトップ10に入るほど多いのがガス欠。燃料計はこまめに確認し、早めの給油を心がけることです。
